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「あがり」を克服する(1)

更新日:2022年10月2日


舞台であがってしまうことは、音楽を演奏するほとんどの方が

経験することだと思います。

私も、学生の頃は、

「いつも練習している時のように平常心で弾けたら、

もっと上手に弾けたのに」と思っていました。

たくさん失敗もしましたし、ずっと悩んできました。


私の場合は、何度も人前で弾く経験をするうちに、

舞台に立った時にどういう状態になるか分かってきたので、

若い時は、その状態に対する対策をしていました。


具体的には、以下のようなことです。

①その曲を、どのように表現をつけたらいいか、自分なりに考えたり、

レッスンを受けたりして、表現を工夫し、

「全ての音を」自分の言葉で演奏している(楽器で歌えている)

実感が持てるまで、解釈を練る。

②十分吟味された表現で弾けるようになったという実感を持てたら、

実際にお客様がいるホールで弾いている自分を想像し、

わざと緊張状態を作り出し、本番のように通して弾いてみる

③その時につっかえたり指がもつれたりしたところを、原因を意識し、

ゆっくり練習し、だんだん元の速さにしていき、一つ一つの音を、

無意識に弾かず、意識して弾くようにする。

④あとは、②を何度か繰り返す。必要に応じて、③をする。

⑤あがることを否定せず(あがりたくない、と思わず)、

「あがりと付き合おう」と思う


あとは、曲から一度離れる期間を作った方が、

自分の中に定着しやすい感覚がありました。


そうやって対策していた若い時を経て、再開した後、

ハヴァシュ先生の著書「『あがり』を克服する」を読んだ時に、

私が若い時に四苦八苦しながら、試行錯誤してきた、

上に書いたようなあがりへの対策が、ハヴァシュ式アプローチを

知ってからは、ただその曲をまず「リズミックパルスを感じながら

声に出して歌い、その後同じように楽器で弾くようにすること」で、

解決してしまうことも知り、前の記事に書いたように、

歌ってから弾くことの重要性を気付きつつはありましたが、

当時はまだ部分的にしか分かっておらず、相変わらず試行錯誤を

繰り返していましたので、ずいぶん、回り道をしてしまったなあと

思いました。


解釈は、その後で工夫していけばよいのです。


ただ同時に、共感する、又は自分自身実感してきた点も

たくさんありました。


例えば、

先日ブログで触れた「みずからの内にある音楽的イマジネーションを

外に向けて放つ」(p.138)という考え方や、

「上手く弾こうなんて思わないでください」(p.134)という

ハヴァシュ先生の言葉、

「練習の最大の目的は、(ヴァイオリンを弾く、ではなく)

ヴァイオリンを通して音楽を演奏する、苦痛を感じることなく、

楽しく音楽を再現する方法を学ぶこと」(p.151)

など、他にもたくさんあります。


まず大事かなと思ったのは、ハヴァシュ先生のおっしゃる

「自分自身を愛する」(p.142)こと、そして、その中には、

私の解釈ですが、その曲に対する自分の感覚を信じ、

自分主体で音楽を楽しもうとする意識が含まれると思っています。

そうすると、上手い、下手ではない価値観が生まれます。

本当に人の心を打つのは、上手い下手よりも、

楽しそうに弾いているとか、この曲が好きなんだな、などの

熱意なのではないかと私は思います。

実際、そういう演奏を多く聴き、聴き終わった後、

とても心が熱く満たされた思い出があります。


「自分主体なら楽しいし、あがりがネガティブなものでなく、

高揚感というポジティブなものになる」という、

自分自身の実感とともに、

「弾いている曲を楽しんでいるこの自分の嬉しさを、

聴いてくださる人に伝えたい」という思いがあれば、

プロもアマチュアも、どんなレベルの方も関係なく、

あがりを超えることができると信じています。

テクニックは、その思いを伝えるためにあり、それを習得することと、

楽しんで弾くことは、別の種類のことだと思うからです。

自分が楽しんで弾くために、テクニックを習得する、

という風になれるのが理想だなと思っています。


私の場合は、小さい時に自己流に弾いていたため、

奏法が力ずくのところがあり、若さで何とかしていた感じで、

今もまだ癖が残ってしまっているのですが、

ハヴァシュ・バイオリン奏法は、自分が楽しく、

楽に弾くためのいろいろな方法を教えてくれる、

素晴らしいアプローチだなと実感しています。


不器用な私ですが、、

皆様に微力ながらでもその素晴らしさをお伝えし、

楽しくヴァイオリンを弾けるお手伝いができたら…と、

そのために、できる限り頑張りたいなと思っています。





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