ハヴァシュ・バイオリン奏法と、楽しく弾くこと
前にハヴァシュ先生著書「『あがり』を克服する」から共感を持った部分を記しましたが、奏法の方は、若い頃は、まるでハヴァシュ・バイオリン奏法とは違い、深みのある音が出したいときは、ガシガシと弾いて、無理矢理楽器から音を出している感じでした。
そして一旦ヴァイオリンから離れて、十年たって楽器を弾いたら、変な力が抜けて、楽に弾けるようになっていて、自分でも驚きました。
若い時に弾いた曲を弾いてみると、当時と違い、新鮮な感覚で弾けて、とても楽しかったので、またびっくりしました。
でも、まだ従来の奏法のように、左手指先で指板を叩いたり、4の指は、こわばったりしていました。
右手も、指弓で、響かせるよりは、べったりと押し付けて艶のある音を出そうとしていました。
2017年に指導を始めた時、小さいお子さんや初めての方にどのように教えたらよいかと悩んでいた時に出会ったのが、
石川ちすみ先生の訳された「ハヴァシュ・バイオリン奏法」でした。
4の指の置き方が画期的で、思わず「すごい!」と叫んでいました。
文章だけだと分かりにくかったので、先生のサイトを拝見したら、教本があると知りました。ワクワクしながら取り寄せ、中を見て、カルチャーショックを受けました。
無我夢中で教本の通りに練習し、コロナ禍になってしまったので、石川先生のレッスンをオンラインで受講しました。
奏法を取り入れていくと、この奏法の方が音がよく響き、踊るように弾けるので、更に楽しくなりました。
5月にシャコンヌを弾いた時には、4の指をハヴァシュ奏法にしたお陰で、痛みが全くありませんでした。
ハヴァシュ奏法の素晴らしさは、リズムや美しい音、ボウイングや音程、運指など、ヴァイオリン演奏で必要な要素を、「~をしてはいけない」「~しなければならない」などの堅苦しい表現でなく、「羽ばたき」「Swing Swang」など想像をかき立てるような素敵な言葉で表現し、右手と左手とが一体となって、楽に、初めから美しい音でヴァイオリンを弾くことの楽しさを教えてくれるところではないかと思っています。(とても少ない文章では表しきれません…)
ハヴァシュ奏法は、どんな人も力みなく、自分の心の情熱のままに、楽しく弾けるようになる奏法です。
ヴァイオリンは、その構えの特殊さから、従来の指導だと、強ばりや痛みが出てしまう方も多く、指導する側の私も、何とかならないかなと思っていました。
ハヴァシュ奏法を学べば、痛みや厳しさ、苦しさから解放され、どんな方も、楽しさを感じながら演奏できるようになります。
なぜなら、自分が感じた楽しさを、初歩の時から、そのまま演奏に反映できるような奏法だからです。
今までの奏法とかなり違うので、戸惑われることもあるかもしれません。従来の奏法でも弾けている方は、尚更そうだと思います。私も、初めは色々疑問もありました。でもどうしてそうするのか、ハヴァシュ先生の深い考えを知り、納得できました。
と、偉そうに言っている私も、左手は改善しましたが、ボウイングは、長年それで弾いてきたせいか、いまだに前の弾き方が出てしまいます。
昨年動画に上げたシャコンヌも、本当はもっと響きのある豊かな音を出したかったのですが、「深い音を出したい時は、今までの奏法でないと出ない」という思い込みもあったかもしれません。でも実際動画を見て、そうではないことが分かったので、改善したいです。
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カトー・ハヴァシュ協会の公認講師で、日本でハヴァシュ式アプローチを広めておられる第一人者の石川ちすみ先生が、東京で6年ぶりにワークショップを開催することになりました! ★長年ヴァイオリンを習っているけれども、なかなか上手にならない ★どうしても強張りがとれず、痛みと闘いながら弾いている ★心から楽しく演奏したいのに、なぜ感じられないのだろう?と思う ★人前で弾くと緊張してしまうのが嫌だ ★初心者の
昔、エリザベート王妃国際コンクールに参加した後のレセプションか何かで、そこに居たベルギー人の方から、「東洋の演奏家が多く入賞するけれど、なぜ日本人の貴女が西洋の音楽を演奏するのですか?」と聞かれたことがありました。 その時は、自分でも「なぜヴァイオリンをやっているのか?」「日本のことを良く知らないのに、外国の楽器であるヴァイオリンを、さも良く知っているかのように弾いているのは何故なんだろう?」と葛